急減に太ったら痩せたら刺青タトゥーはどうなるの?という質問を最近よく受けるので書いてみようと思います。
刺青は肌に描く肌絵、人の肌は目に見えなくても再生を繰り返し少しずつ変化していきます。
その再生を繰り返す中で、刺青が本当にしっかりと肌になじむまでには1年近くかかると言われています。
体重の増減について、
太るというのは皮膚が伸びて張った状態になります。反対に痩せれば皮膚は収縮し、余る状態になります。また伸び縮みを短期間で頻繁にくりかえすと皮膚はたるんでしまいますね。
体重の増減と刺青の関係について、数キロ単位の増減であれば、一般の方が見たら見た目はほとんど変わりません。ただ十キロ単位の増減は多少なりとも目にうつってきます。
痩せた時の変化はさほどないのですが、太ったときは変化します。デザイン以外に皮膚内のインクについてもです。
例えば一センチ四方の枠の中に、サインペンで数回の点(ドット)を書いて黒い点でつぶしたとします。見た目は黒です。
次に2センチ四方の枠の中に、サインペンで同じ回数の点(ドット)を書いて黒くつぶそうとします。見た目は一センチ四方の時と同じになるでしょうか。答えはノーで、黒ではなくグレーにみえるはずです。
これが太った時に刺青にも同じ現象が起こります。皮膚に入っているインクの密度に対し、太り皮膚が伸びれば色味は薄くみえます。
ただ紙との違いは、皮膚に入ったインクは経年によって散っていきます。それを刺青では肌に馴染むと言うのですが、
ここで、馴染んだ状態ののちに太るのと、馴染み終えていない状態で太るのでは違いがあります。
馴染んだ状態ののちに太るのであれば、多少は薄く見えるかも知れませんが、まあ経年の範ちゅうだと思います。
ただ製作中や仕上がってまもなく、すぐに急減に体重の増を繰り返すと、馴染む前に皮膚が伸びてしまい、皮膚内のインクが割れたような状態に見えたり、過剰に薄くみえたりしてしまいます。
デザインについても、筋彫りの段階でバランスや大きさをきめた後に急激に太ってしまえば、主体が小さく見えるようになったり、例えば丸いデザインが楕円形に見えてしまったりと、体に合わせた刺青のバランスが崩れていきます。
ここで書いてあるのはあくまで急激な体重の増減、10キロ単位であったり短期間であったりですので、多少の増減はどなたでもありますのであまり気になさらないでください。
今、最終段階の確認をしていたのですが、彫る前の事前準備について(舞台裏?)について書いてみようと思います。
まずデザイン。を描き始める前に、打ち合わせ時の内容確認から入ります。下に入れる方の腕の写真があります。この紙は打ち合わせ時に、入れる部分の寸法を測ったものが書かれています。ちなみにこの紙の下にさらに数枚ありまして、お客さんの肌質や体格、どのようなイメージが好みな方か?などなど・・・タトゥーを彫る前に必要な、ありとあらゆる情報のメモ、資料があります。入れる方の状況を把握しておかないと、カッコいい質の高いタトゥーは入れられないですからね!肌質や骨格は一人として同じ人はいません。
そんな感じで、その打ち合わせ時の情報を元にデザイン下絵を描き始めます。デザインに要する時間はものによってまちまちですが、このTribalデザインについては、9月末から少しずつ描きはじめて今日最終の確認で自分にOKをだしました。
自分にOKをだすって変ですが、これをけっこう、いや、かなり繰り返し繰り返し煮詰めていきます。さらっと描いて、うん、こんな感じで。で終われば苦労しませんが、それだと奥深い刺青は仕上がりません。特に背中などの大柄の刺青になればなおさらです。
どんなに描き慣れているデザインでも、描き直したり、付け加えたり消したり、デザインとひたすら睨めっこしたりして時間をあえて費やし描き上げていく。というのが僕のスタンスです。だから毎日頭が爆発寸前です。このTribalデザイン、使用した用紙はあえて数えてみましたが、26〜30枚くらい使っていました^^。
でも僕らは刺青彫師でありデザイナーとは違います。紙の上のデザイン以上に、いかに人の肌にカッコよく彫ることができるか。が最大の腕の見せどころであり最重要視すべき点です。
「デザインと実際のタトゥーの仕上がりが違ってて・・・・」カバーや修正オーダーの方からよく耳にする言葉です。あってはならんことです。
そんなこんなで施術本番に至るわけですが、一つの作品を手掛ける前には頭をフル回転させ、質の高いタトゥーを仕上げようと努めています。
ちなみにですが、この下絵は僕が描きましたが、今回、施術はおそらく康乃になると思います。こういうスタイルをとれるのも、夫婦であり中学からの腐れ縁?同士だからこそです。お互い特徴を知り得ているからこそです。といっても康乃のほうがTribalの施術は得意分野だということが一番の理由ですか^^。
色々と書きましたが、必ずカッコいいTribalに仕上げます!。ご本人様、ぜひ期待していてください!。
ブログにもこれから進行状況が登場すると思いますので、みなさんも楽しみにしてくれたらと思います。
特に大柄のタトゥー刺青をこれから入れようと思ってる方、現在、製作中の方は日に焼けないよう十分気をつけてください。
色の発色やインクの定着など、仕上がりに影響がでてしまいます。よろしくお願いします。
深刻なコンプレックスになってしまっている方も少なくありません。何とかしてあげたいなとは思うのですが、カバーでも厳しいものも中にはあります。
タトゥーを入れている方の人口は日本でも年々急増していると思いますが、やはり洋服やアクセサリーとは一線引かれるものです。これから入れようと考えている方は、タトゥースタジオ選びから、デザインや大きさ、体に入れる場所などなど・・・しっかりとした考えを持って、良いタトゥーを入れてくださいね。