この正月を使って、改めて刺青タトゥーとはどのようなものか?
そんなことをゆっくり考える機会がありました。
”刺青は彫る側、彫られる側の共同作業であり合作である”
そんな風に言われますが、入れる人たちは皆一人ひとり考え方や価値観、感性や美意識もそれぞれ異なります。
刺青タトゥーは物ではなく者ですから、結論として、その人そのものですね。
刺青タトゥーを何かに当てはめること位置づけることはむしろナンセンスであって、
多くの人々が生きている、その人々それぞれにあるもの、それが刺青タトゥーの在り方であって魅力のひとつじゃないかなと思います。
芸術的要素をもとにタトゥーアートとして、これまで彫師として作品を制作してきたのですが、
彫師として自分が手掛けた以上やはりお客さんにとって、すごいもの素晴らしいもの、自慢の一つ、宝であってほしいです。
そのために探求して、デザインや技術面においても、もっともっと勉強していかなくてはなと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。重原
ヨーロッパの老舗タトゥー誌、タトゥーライフ誌のウェブサイトにインタビューを掲載していただきました。
読んでいただければ幸いです^^
インタビュー日本語翻訳です。
1)こんにちはケンジ、あなた自身について少し教えてください。プロのタトゥーアーティストになるのは難しかったですか、それともすべて自然に起こりましたか?
日本では彫師になるためにライセンスも資格もありません。なので彫師になることはあまり難しくないです。ただし、プロの上手い彫師になることは本当に難しいです。
私は彫師を始めた最初の約一年間は、睡眠と食事以外、ほぼすべての時間を彫師の学びについやしました。
絵を描き、道具を触り自分の脚に彫る、このようなことを毎日のルーティーンとして行ってきました。単調な作業ではありましたが、多くを吸収しようとするのではなく、今できること目の前のことを懸命におこないました。
昨日より今日は、今日より明日は前に進む、上手になるんだと自分を信じてきました。
同じことを繰り返すという作業は、単調がゆえに不効率に感じる人もいるかも知れませんがそうではありません。
技術を身に着けることは、頭で理解して答えを求めるのではなく、まず身体に覚えさせることが大切だからです。また繰り返し行うことで些細な変化にきづきやすくなるのです。
些細なことに敏感になることは感性を鋭くしていきます。
子どもの頃から絵は得意ではありましたが、特別な才能をもっているわけでもなく、ごく一般的な凡人です。だから私の場合は今現在でも努力あるのみだと思っています。
2)誰かからタトゥーのテクニックを学びましたか、それとも完全にDIYで独学しましたか?
衛生面や使用する機材の使い方などを教えてくれた人はいましたが、技術面などは誰からも教わることなく妻と二人で独学で習得しました。
3)タトゥーを顧客の肌から「爆発」させるために、色の使用に多くの労力を費やしていることに気づきました。これはやりがいのあるプロセスですか?
大変な作業の時もありますが、やはり肌に馴染んだ時の色合いは奥深さがあり決して手を抜けない作業です。
わたしはそれを大変な作業の時もありますが、
やはり肌に馴染んだ時の色合いは奥深さがありとてもすきです。それは私にとってとても遣り甲斐のある仕事です
4)あなたの創造的な想像力の中になぜそんなに多くの厳粛なトラがいるのですか?
虎のオーダーはと多いです。
一言で虎と言っても、様々な表情や動きがあります。またサブモチーフが桜やもみじ、竹など、、サブモチーフよってもイメージは大きく変化します。
入れるお客さんがどのような雰囲気の虎を望んでいるかによって変わってくるのです。
参考にしているものは、主に日本画、中国画です。特に中国画に描かれる虎はとても素晴らしいと思います。
私は動物園によく行きます。そこで虎を含め様々な動物を観察します。
5)埼玉県の「YK-TattooArtStudio」について教えてください。 「YK」とはどういう意味ですか?
私の名前のKenjiと私の妻のYasunoから YK-TATTOO Art Studioと名付けました。
6)最後の質問。国際大会が恋しいですか?できるだけ早く戻って参加する予定はありますか?
今のところ国際コンベンションの参加の予定はありません。
今まで国際コンベンションに参加して、タトゥーアーティストたちとの素敵な出会いがたくさんありました。
現在、コロナウィルスの影響で
世界を行き来することが難しい状況に急変していまいました。そして、我々は様々な制限を強いられてしまい自由と安全を奪われてしまい非常にそれは悲しいことです。
海外にいるタトゥーアーティストの友人たちが恋しいです。
一日も早く安全で安心な世界になりますよう希望します。